『劇場版 天元突破グレンラガン 紅蓮篇』


 スーパー燃えるロボットアニメの総集編。「自分を信じるな! 俺を信じろ! お前を信じる俺を信じろ!」という兄貴分のかっけー詭弁にそそのかされて新天地に旅立った少年が、やがて兄貴分の死に直面し、絶望のどん底を自らの吐瀉物にまみれながら這いずりまわったあげくなんとか独り立ちするところまでをまとめたのが今回の「紅蓮篇」。みんなの大好きな『あしたのジョー』で超わかりやすくたとえるとカーロス戦まで。な、なんてわかりやすいんだ。この続きは来年春の「螺巌篇」を刮目して待とう! ものっすごいホセが出てきて、ものっすごい白髪になるぞ!

 本作のテレビ放映は全て正座して観たことだし、今さら劇場で総集編を観るまでもないかなあ……と思っていたのですが、それがぜんぜん違ったの! 新作カット追加どころかクライマックスのシーンがまるまる差し替えられててあたしめちゃくちゃ燃えちゃったのよう! だってだって、テレビ版では四天王とちびちび一天王ずつ戦っていたのが、映画版じゃあ三天王+ライバルキャラがそろい踏みして、あまつさえオリジナルメカまでもが跋扈しまくる総力戦になっているんですもの! 総力戦よ総力戦! 四天王が合体してドテンカイザンになるとかってどんだけ総力戦!? もうあたしドタマおかしくなっちゃうかと思ったわ。だって女は、車をバックするとき後ろに手を回すの男の仕草と総力戦と新メカにくらくらしちゃう生き物ですもの。その証拠に映画が終ってしばらくたっても、あたしの胸、ずっとどきどきしてる。わかる? ほら、さわってみて……みたいなかんじで、あまりに男子のハートわしづかみな内容に熱血覚醒大昂奮したあげく、僕の組成の大半を占める男子成分は老廃物として毛穴からあらかた流出してしまい、観終わった今はやたら女性的。銃後も銃後、男のかけらも残ってねえー! とまあ、そんくらいド熱い作品です。ほんとうに、すばらしかったの。

 あと数日で『スーパーロボット大戦』シリーズの新作が発売されます。もちろん僕は「加速」「必中」「鉄壁」の精神コマンドかけまくって予約済、鉄板で発売日に入手する手筈が整っていますが、今この時期にこの映画を観てしまったせいで、新作スパロボグレンラガンが参戦しないことに物足りなさを感じてしまいそうで怖いです。せっかく僕の世界一好きなロボットアニメ『∀ガンダム』と世界二好きな『キングゲイナー』の共演が実現するドリーム作品だというのになあ。
 登場キャラ全員が「熱血」の精神コマンドばっかアホみたいに使ってる『グレンラガン』はスパロボと親和性が高かろうに、スポンサー(コナミ)の関係上本作のスパロボ参戦は今後も難しいのではという話も。そのへんはなんとか、無理を通して道理を蹴っ飛ばしてほしいところであります。因果も定めも突破してッ!