2011-12-01から1ヶ月間の記事一覧

(10)カフェー「けもの部屋」

帝都をうごめく好き者、のけ者、猟奇者が夜な夜なつどう新宿のカフェー「けもの部屋」の奥まった一卓に、赤いほっぺたをへこませながら、ストローでミルキセーキをのむ、かわいらしい少年の姿がありました。女給の過剰なサービスが売りである大人のお店で、…

(9)裏窓の怪老人

あやしげな紙芝居男のもとをあとにした舞木君は、その後はみちくさをすることなく、まっすぐ帰宅しました。そして、いつものように夕飯のキムチを食べ、あかすりで体をきよめ、朝鮮半島の方角へ向かってふかぶかと土下座をすると、自分の部屋にこもって、買…

(8)韓流レプリカント

怪紙芝居師のおじいさんは、とつじょパンパンパパンとかしわ手を打ちならしたかと思うと、お尻をなやましげにくねくねさせながら「ラララ、ラララー」とKARAの「ミスター」を高らかに歌いはじめました。「わっ、おじいさんがきちがいになった」「ちがうって…

(7)奇怪な紙しばい

ところかわって、荻窪あたりのしずかな屋敷町での出来事です。 その日の夕焼けは、かの怪監督タランティーノをも大いに魅了した『吸血鬼ゴケミドロ』のまがまがしい夕陽の色にそっくりでした。いまにして思えば、この夕焼けは、これから帝都に起こる世にも恐…

(6)探偵団結成

ヒモロギ小十郎にかわり事件を解決する「少年映画探偵団」を結成する……なんてすてきな思いつきでしょう。大林君は自分のアイデアにすっかり夢中になり、生活能力のないヒモロギ先生に昼ごはんを食べさせるのも忘れて熱心に探偵団結成の準備をすすめました。…

(5)血まみれ農夫

「オヤッ、なんだかおかしいぞ。いつも見なれているはずの探偵ランキングが、今日にかぎって、こんなにへんてこに感じるのはいったいなぜだろう?」 大林君は首をかしげながら、くりくりとした大きな瞳を皿のようにして、何度も何度もランキングをみつめなお…

(4)探偵の烙印

「先生、平良警部が事件捜査に協力してほしいそうですよ! はやくはやく! 四十秒で支度してください!」 受話器に手のひらを添えながら、少年助手の大林君はヒモロギ探偵を呼ぶのですが、ちょっと目を離したすきにふたたびCoDのマルチプレイモードに興じ始…