『エクスタミネーター』

 ベトナム帰りの精肉工場社員が、戦友に全身麻痺の重症を負わせたチンピラに正義の鉄槌をくらわす! これですっかりテンションが上がった精肉工場社員は、NYのマスコミ各位に「私は社会の悪を糾す『処刑人』である!」などという赤面ものの中坊的声明文を送りつけ、その後は私刑のオンパレード! 社長も私刑! 風俗店の親父も私刑! ゆきずりの犯罪者も私刑! あっちも私刑、こっちも私刑! 私刑私刑と連呼しまくり。おまえはがきデカか! といったかんじの廉価版『タクシードライバー』。テンポよく人がさくさく殺されてゆくので、観ていてとてもここちよかったです。

僕の選んだ『エクスタミネーター』おもしろ処刑ランキング

3位 チンピラの拷問に火炎放射器
 火炎放射器というアイテムを一番最初の犯行に使用する発想が実に豪気。アクションゲームのアイテムでいったら、まずナイフがあって、鉄パイプがあって、ピストルがあって、刀があって、そのあとくらいに手に入るパワーアップアイテムが火炎放射器やチェーンソーだと思うのですが、そういった位置づけのレアアイテムであるべき火炎放射器が本作では初犯時に登場。僕たちの好きな『ドラゴンボール』でたとえると、1巻でヤムチャ狼牙風風拳! とかほざいてイキがってる段階の時に10倍界王拳を使用する悟空、くらいのインフレぶり。少しはヤムチャのことも考えてあげて! 声をあててる古谷徹さんの立場とか、そういう大人の事情までふくめて考えてあげて!

2位 44マグナム+自作の水銀弾!
 ベトナム帰りのキチガイは何かっつーと44マグナムの銃弾を改造したがる習性があるらしく、『タクドラ』トラヴィスダムダム弾製作に対して、エクスタミネーターさんは水銀弾で対抗。ドリルでマグナム弾を穿孔しそこに水銀を流し込んでフタをするという素朴な工作ではありますが、こいつが人体に打ち込まれると水銀が体内に炸裂し、RPGでいうところの「どく」系バッドステータスに! エグい! ゾウをも殺すといわれる44マグナム自体、殺傷力抜群のメラゾーマみたいなもんなのに、それにバッドステータス効果まで付加させますか普通!? 少しはゲームバランスというものを考えてあげて!

1位 社長を挽肉製造マシーンで食品加工!
 人間まるごと放り込めるような巨大挽肉製造機が本当にあるのかどうか知りませんが、これは見た目にインパクト大! 上から放り込まれた社長が挽肉になって、下からウニウニと排出されるところまで映す悪趣味ぶりに僕は心惹かれてしまうんだ! なんというエグさなんだッ!……でもまあ、中国あたりだったら本当にこんなことしてそうですよね。牛よりも人命のほうがコスト低そうだし。

(おまけ)次点 主人公の戦友を襲うNYのチンピラ!
 NYのチンピラ連が主人公の友だちであるマイケルさんをフルボッコして全身麻痺のミリオンダラーベイビー状態にしてしまうシーンがあるのですが、その時にチンピラがグヘヘーなどと笑いながらマイケルさんの脊髄に深々と突き刺した凶器はなんと熊手。……熊手!? ニューヨーカーに果たして熊手なるアイテムは必要なのか!? マンハッタン島の入り江あたりで潮干狩りをしているとでもいうのかニューヨーカー!?