『スネーク・フライト』

スネーク・フライト [DVD]

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 飛行機の中に、数百匹のヘビと一匹のサミュエル・L・ジャクソンがいたら……という、ドリフの「もしもシリーズ」みたいな安直な発想をB級映画のセオリーに当てはめながら手堅く作り上げた良作パニック映画。「こいつぁ大したおバカ映画だゼー!」といった感想がネットでよく見受けられますが、果たしてそれはどうだろう。これはB級映画の教科書的作品であって、決しておバカ映画ではないと思うのですよ。僕はね。

 本作はおバカ映画ではありませんが、観る側の僕はきわめてバカな客というか、製作者にとって都合の良い浅慮な客なので、「変温動物なので探知機が毒ヘビを見落としたんだ!」という台詞にそうかそうかと深く納得し、あの手この手の殺傷法で凶悪ヘビを惨殺する様に血わき肉おどり、プレステ2のおかげで乗客全員の命が救われるクライマックスにも「プレステ2さまさまだイエー!」と諸手をあげて大納得で大興奮。終始息つくヒマもないくらいに楽しむことが出来ました。楽しかった!

 しかしながら、乗客の一人であるキックボクサーの活躍の場があまり用意されていなかったことがひたすらに残念です。彼にはもっとこう、気の利いたパンチやキックや真空飛び膝蹴りでもってにっくきヘビどもを八つ裂きにしてほしかったなあ。

 さて、爬虫類と肉弾戦をする場合どのように戦えばよいか、というのは格闘界において長らく議論されてきた問題ではありますが、特にヘビを相手にする場合、サブミッション系の格闘技は苦戦を強いられること必定ですね。だいいち関節というかそもそも手足がない。「打撃系など花拳繍腿、関節技こそ王者の技」とまで言われ(しかも魔女っ子アニメで)、近年その地位を危うくしている打撃系格闘技ではありますが、ことヘビと戦うときは打撃系の関節系に対する絶対的優位は揺るがない。なので、何を言いたいかというと、えーと、果たしておれは何を言いたいのだ。えー、まあどうでもいいや。ヘビなんか口裂けキン肉バスターでぶっ殺せ! ……いや、ちがうな。まあいいか。いいやもう。それというのも、さっきから社民党の街宣カーが家の前で演説をしていて、そのあまりの五月蝿さに思考がまったくまとまらず腹が立つので、僕がいつかLAいちのマフィアにまで登りつめたら100万匹のヘビに社民党本部を襲撃させて奴らをコマす。