『世界の中心で、愛を叫ぶ』(新弟子検査不合格)

世界の中心で、愛をさけぶ スタンダード・エディション [DVD]

世界の中心で、愛をさけぶ スタンダード・エディション [DVD]

 とつぜんマゾヒズムに目覚め、自分を痛めつけたくなったので『世界の中心で、愛を叫ぶ』を観ました。というのは冗談で、レンタルビデオ屋でバイトしている従姉妹にDVDの動作チェックを頼まれたため受動的に本作を観たのです。マジつまんなかった! 最悪! と御魂を荒ぶらせるほどのつまらなさではなかったのですが、この21世紀に率先して観るような作品でもねーなー、というのが正直なところ。凡作の下。

 この内容で138分っていうのはかなりキツいです。いつまでたっても終わらない。無間地獄にハマりこんだのかと思いました。冗談抜きでマゾ向けです。内容にグイっと入り込めるピュアな女子各位は平気なのかもしれませんが、ふつうの映画ずきにはちょっとした荒行ですね。一般向けとはいえません。純愛にこだわる女子と、あとは苦痛を希求するインドのサドゥー向けといったところでしょうか。僕は途中で耐えきれなくなり、本を読みながら音声だけを聞く「ながら鑑賞スタイル」に移行せざるをえませんでした。生物進化シミュレート本『フューチャー・イズ・ワイルド』を読みながらの鑑賞だったのですが、2億年後の地球を闊歩する巨大イカインパクトのみが頭に残り、映画の感想なんてこれっぱかしもありません。主役の二人が夜中に墓荒らしをするシーンにウケた、というくらいかな。あとは、えーと、なんだっけ、「たすけてくださーい!」と叫ぶシーンがやかましかった。こちとら読書中なんだからもうちょっと静かにして欲しいと思いました。若い者はマナーがなっとらん。

 それにしても、と『フューチャー・イズ・ワイルド』の話を続けるのですが、陸に上がった巨大イカがかっけーです。巨大イカ・メガスクイド。名前もビジュアルもウルトラ怪獣そのものじゃないですか。体重8トンとかって、超ヤバいですよね。未来の地球の覇権を握るかもしれない知的生命体スクイボンもやはりイカから進化したクリーチャーで、イカのくせして棍棒とか使って攻撃してくるらしいですよ。イカってすげーなー。やっぱこれからはイカの時代がくるんですかね。え、世界の中心で愛を叫ぶ? なに言ってんだ、世界はこれからイカを中心に回ってゆくんだよ! イカだよイカ! イカー!(絶叫)

 ほんともう、世界の中心で愛とか叫んで調子に乗ってるホモ・サピエンス各位はそろそろ目を覚ますべきだと思います。純愛とかいってヘラヘラしてると必然的に交配の機会が減少し、優秀な遺伝子を後世に残せなくなってしまいます。みなさんそれでもいいんですか!? 人類滅びちゃいますよ!? セカチューの先にあるものはイカの支配する世界ですよ! もし貴女が未来永劫にわたる人類の繁栄を望むのであれば、たとえば僕のようにさして純情ではないけれど、イカには負けられないぜ、といった気概を内に秘めたクールな男子をないがしろにするべきではないですよ。さして純情じゃないので、プロポーズの言葉は「イカより強い子どもを作ろう!」だったりしますけど。