『ナポレオン・ダイナマイト』

バス男』。そんなセンスのカケラすら見いだせない邦題をつけられてビデオスルーされた不幸な作品ですが、アメリカではけっこうヒットしたらしいですね。なかなか面白かったです。

 オタク気質の変人高校生ナオポレオン・ダイナマイトくん(口がいつでも半開き・趣味はライオン+トラの合成獣の絵を描いたりすること・ヌンチャクが上手いと女にモテると固く信じている・燃えてくると『特攻野郎Aチーム』のテーマが流れる・兄貴は格闘家を目指す三十路の引きこもり、等々)が友人のペドロくんを生徒会長に当選させるために奔走する、というのが話の粗筋なのですが、なんなんだろう、あのドラマ全体に漂ういかんともしがたいダウナー感は。物語のメインキャラであるナポレオンもペドロもデブ(←ヒロインなのにこんな役名)も、学園生活ヒエラルキーの下層部に位置する人たちによく見られる「何考えてんだかわからない無表情気質」なもんだから、表情にさほどの起伏もないし、会話もつねにボソボソ。あのダウナー感はむしろクセになりそうです。

 劇中、メキシコ人のペドロくんは「ライバル候補を模したピニャータ(祭事に用いるメキシコの伝統人形)を作って道行く人に殴らせる」というアグレッシブな選挙戦略を展開していたのですが、ほんとうにメキシコの選挙ではあんなことをしているのかどうか気になって色々調べていたところ、ピニャータのおもしろ動画を発見しました。こいつを観てゲラゲラ笑っていたらメキシコの選挙のことなんてどうでもよくなりました。つーか、メキシコとかって民主政治でしたっけ。ちゃんと選挙やってんの? メキシコのことだからどうせ軍事政権とかなんじゃないの。メキシコのことだから将軍とアウトローが結託して米軍の列車を襲撃し積荷の武器を強奪したりしてるんじゃないの(それは『ワイルドバンチ』)。


ピニャータおもしろアクシデント集
http://www.wimp.com/pinataaccidents/