『かにゴールキーパー』

 最近はみんなしてエビちゃんエビちゃん騒ぐもんだから、僕はてっきり今頃ようやっと『えびボクサー』のムーブメントがひとつの大きなうねりとなって日本のエンタテイメント業界を席巻しはじめたものとばかり、てへへ、勘違いしちゃったりなんかしてたんですけどね、どうやらちがうんだって。エビちゃんっていう名前の霊長類のマブい女子がいるんだってさ。また一つ賢くなっちゃいました。わが知識、どこまで深まるものやら底が知れませんよ。

えびボクサー』といえば、なぜかこのタイトルの語感に必要以上の刺戟を受けた日本の映画屋は『いかレスラー』『コアラ課長』といった「動物+職業」シリーズを求められてもいないのに濫造してきたわけですが、このたび公開される職持ち動物シリーズ最新作は『かにゴールキーパー』。ああ、なんて語呂が悪いんだ。『かにキーパー』でいいじゃないか。

 藤岡弘、隊長が出演されているという理由でたぶん観に行くことになるであろうこの映画。なにはともあれ公式ホームページを見てみたところ、ストーリー紹介がとにかくどうにも素敵でした。

「魚屋で大暴れしていたカニはヤクザに身請けされる」
「ヤクザはカニが泡を吐くのを見て、ソープで働かせることにした」
「横歩きに都合のいいバーテンダーとなり成功をおさめる」
カニは借金まみれの少女のために頭に詰まったカニミソを売ってお金を工面するが、そのせいでノータリンになってしまう!」

 カニミソは脳みそじゃなくて内臓だっ! 中腸腺だっ! 人間でいえば肝臓と膵臓の機能を併せ持つ器官だっ! などとしごくまっとうなツッコミを入れつつ、こういうノリは大好きなのでけっこう期待しています。いえーい、カニミソ売ってノータリン!